「東京国際フォーラム」の
“顔”として、“裏方”として。
年間2,000件の舞台を支えていく。

空間を彩る映像演出に魅了されて
高校時代、学園祭のファッションショーで映像演出を担当したことをきっかけに映像の世界に興味をもった私。サイケデリックな衣装にあわせて、カラフルな画像を舞台に投影したり、白い衣装にプロジェクションマッピングを施したり、映像で空間を変化させるおもしろさに魅了されました。そこで、私は「映像を学びたい!」と専門学校へ。映像だけでなく、音響や照明など幅広く学んだのち、撮影や編集などの実践的な技術を習得し、学内イベントを通して現場感覚を磨いていきました。就職活動では、学びを活かせるイベント業界やテレビ業界を中心に志望していました。そのなかでもシネ・フォーカスに惹かれたのは、圧倒的な「機材の豊富さ」。約2万点もの機材を保有・レンタルしている会社は同業のなかでは珍しく、機材を扱ったり、最新の機器を調べたりするのが好きな自分にとって、理想的な環境でした。「ここなら自分のやりたいことに挑戦できる」と感じ、入社を決めました。

東京国際フォーラムの
“映像スタッフ”として
入社して配属されたのは「東京国際フォーラム」でした。都内では誰もが知る大規模施設に常駐できることが嬉しかったのを記憶しています。東京国際フォーラムは、大小8つのホールと31の会議室を備え、年間2,000件ものイベントが行われる都内屈指のイベント施設。その映像業務を施設のスタッフとして、一手に担うのが私たちの役割です。私たちのミッションは大きく二つ。一つは主催者と技術スタッフの間に立ち、イベントを成功に導くこと。例えば、企業セミナーや学会などの場合、映像・音響・照明を施設側が一括で対応することがほとんど。主催者の要望を踏まえたシステム提案や、機材・スタッフの手配、オペレーターへの情報共有など、イベント実現に向けた“橋渡し役”として動きます。そして、もう一つのミッションは、技術スタッフが最大限の力を発揮できるようサポートすること。全国で公演されるコンサートや舞台などの場合、専属スタッフが機材を持ち込むケースが多いです。そこで私たちは電源や設備回線の場所を案内したり、安全に設営できているか確認するなど、スムーズな運営を支える“現場の守り役”として動きます。営業のようにお客様と打ち合わせを重ねることもあれば、技術に近い立場で機材やシステムに関わる場面もある。その両方の視点を持ちながら、イベントの成功を支えるやりがいを実感できる仕事です。
Y.OHIRA


同時進行するプログラム。
成功に導く鍵とは?
先日、2日間で約2万人が来場した大規模イベントが開催されました。ほぼ全館を貸し切り、20近くの展示やセミナーが行われたこのイベント。その運営を支えたのは、わずか30名の映像スタッフでした。同時進行でいくつものプログラムが実施される現場では、音響や照明なども含めたスタッフ間の連携は何よりも重要です。だからこそ、私たちが最も意識しているのは“密なコミュニケーション”をはかること。自分が担当するホールのスケジュールや進行を把握しながら、他チームの動きにも目を配り、全体を把握して自ら動いていく――。さらに「映像が映らない」といった突発的なトラブルにも柔軟に対応しなければなりません。まるで迷路のように入り組んだ施設内を、黒いスタッフTシャツ姿でPHSを片手に駆け回る――そんな姿は“黒子”そのものと言えるかもしれません(笑)。事前の打ち合わせから当日の運営まで、まさに裏方として奔走した3カ月間でしたが、終了後に主催者から「おかげで大成功でした」と言っていただけた瞬間や、チーム全員で「おつかれさま」と声を掛け合ったときの達成感は言葉に尽くせません。

相手の視点に立つ――
それが現場を動かす力になる
お客様や、映像・音響・照明などさまざまなスタッフとのコミュニケーションをはかるうえで、私が意識しているのは、「相手の立場にたって伝える」ということ。例えば、主催者であるお客様に対しては、なるべく専門用語を使わずにわかりやすく伝えるようにしています。一方、オペレーターなどの現場スタッフには、彼らの意図ややりやすさを汲み取りながら情報を共有していきます。そのためには、自ら技術的な知識をしっかりと身につけておくことが大切です。私自身、入社当初はオペレーターがどんな点を気にして作業をしているのか理解するのに時間がかかりました。例えば、オペレーターによってカメラ映像からスライド映像への切り替え方に細かなこだわりを持っていたりするのですが、当初はそのこだわりに気づけませんでした。そうした背景を汲み取るために、オペレーターに積極的に意見をもらいながら進めるようにしていました。今では台本を事前に読み込み、オペレーター視点で一度シミュレーションした上で、情報共有するようにしています。チームを巻き込みながら知恵を出し合い、「東京国際フォーラム」のイベントをスタッフ一丸となって運営していく――。その一体感と達成感こそが、この仕事のいちばんの魅力だと思います。
